夫婦3P物語 #4
都心の巨大な繁華街の外れ、薄汚れた昭和時代からある雑居ビル群の路地裏。小汚い通りだ。戦後の闇市の名残を感じる通り。
「こんなとこに病院あるの?いや、逆か。こういう所にあるのかもしれない。こういう病院ってね」
この道すがら性病を専門にした泌尿器科などを通り過ぎてきた。そういうものだろう。
HPの名前で検索しても見つけることは出来ず、智子が印刷した紙だけが頼りで、またその地図が分かりにくいのである。蒸し暑い梅雨時期の曇り空の中、汗だくになりながらヨシキはクリニックを探して歩き回った。
バッティングセンターの脇を通り過ぎながら、最近汗をかいてなかったなとも思った。オンラインMTGを含めると1日に8時間くらい会議に参加している。信じられないことかもしれないなと思った。
大学時代の野球サークルが懐かしい。そのサークルで今の妻智子がマネージャーをしていた。そこから一度社会人になってから、交流は途絶えたけれど、仕事が一段落した年齢の頃に、草野球で集まってバーベキューをするプチ同窓会で再開し意気投合して付き合いはじめたのだ。
もうそれも随分昔のことだが。二人とも激務で子どもを作ることをいったんは諦め、愛犬のチェリオが来た。二人の息子のように、犬だけれど猫っかわいがりしている。
オスだけれど、なぜかヨシキの方になつくよね、なんていう話をしていた。男も女も関係なかろうと思うけれど。
そんなことを考えて歩いていると、トタン屋根のバラックの鉄階段の下に、薄ぼんやりと輝くネオンの看板を見つけた。
そこには「男のやる気クリニック」と書かれぼやーっとした怪しい光を発していた。
「うっ。なんてうさんくさい。この看板大丈夫か」
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