夫婦3P物語 #3
翌朝、目が覚めるともう智子はいなかった。リビングに入ることもなく静かに出て行った様子だった。テーブルの上にメモ紙と、何か大きな紙が1枚置かれていた。いきなり離婚届かと思いヨシキはドキッとしたが、そうではなかった。右肩あがりのキツメの手書き文字は智子からの手紙だ。それから何かチラシ的なものが置いてあった。
「昨日はちょっと動揺して言い過ぎた。ごめん。私が魅力的じゃないからこんなこと言い出すんだ、と思ったらショックだったの。やっぱりあなたが病院に行ってきてほしい。そうじゃないと私もおかしくなりそうだから。お願い」
そう書き置きされていた。チラシは、都心の男性向けのクリニックのホームページを印刷したものだった。
「男のやる気クリニック・・・かあ」
チェリオがワンと吠える。
「行ってこいってこと?俺、病気じゃないよ。ちょっと最近、プレッシャーであっちが元気ない。それだけなんだって」
チェリオがワンワンとまた吠えた。
「分かったよ、相棒。行ってくるよ」時計を見たら、もうなんと朝の9時だった。
「え、やばいじゃん。もう会議はじまるじゃん。全然無理じゃん」まだ朝の7時くらいだとヨシキは思っていた。とっくに智子がいないのも当然である。急いで飛び出そうと支度をはじめる。
顔を洗い歯を磨きながら、鏡を見つめて、ふと動作を止める。ひどい目のクマだ。それに肌も茶色くて、こんな顔してたかな?と不安になった。
「そういえば、昨日久しぶりによく眠れた気がする・・・。ずっと眠れない日がつづいていたからな。セックスできないのもずっと負担だったんだよな。結果、早く眠れたしな。そんなこといったら智子がまた激怒しそうだけど」苦笑いをするヨシキ。
チェリオが足に擦りつきながらまたワン!とひと吠え。
「もう、会議も間に合わないし今日は病欠したほうがいいな」会社に連絡を入れて今日は有休としよう。そして、
「わかってるよ。病院へ行けってことだろ。病気じゃないのに、病院に行くってのが嫌なんだけど。まあ分かったから。増強剤とかもらえるかもしれないしね」
ヨシキは休日用のファッションに身を包むと、足取り重く電車に乗って都心へと向かった。
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