夫婦3P物語 #6
「え!?ええっと、ABCDEFG」
指折り数える医師。
「うんすごいね。G、ジャイアンツのGね。やばいね。じゃあ多少性格に難ありでもかまわないね。Gカップなんだもん。でも、うちのクリニックに辿り着いたということは」
「いいえ、たまたま妻に無理矢理チラシを渡されて。自分は全然病気とかじゃないんですよ。至って健康なんです。すごく元気だし毎日が前向きで楽しくて充実感があるし、Gカップの妻の事をもちろん愛していて幸せなんですよ。愛犬のチェリオもかわいいし」
「幸せで普通の人はそんな早口であれこれまくし立てないから。うんうん。はい重度の鬱、自殺願望あり、ね!」
カルテにメモする医師。
「ちょっと待ってくださいよ。ね!じゃないですよ。俺、鬱でもなんでもないですよ。鬱の人がこんなハキハキしゃべれるわけないでしょ。すごい元気なんですよ。それに何ですか、自殺願望ありって!一言もそんなことないし、どう見ても自殺しそうには見えないでしょ!バリバリ活躍してるエリートサラリーマン、そんな感じでしょ?」
医師はヨシキを見つめながら「・・・。幻覚、妄想の症状あり。薬物乱用の可能性に丸っと!」カルテにメモを書き込んでいく。
「ちょっとちょっと、勘弁してくださいよ。病気じゃないですよ。言われてきただけですよ。妻が、Gカップの妻が病院行け行けって言うから仕方無く、忙しい仕事を遮ってきたんです」
「・・・。妻、実在するか確認。重度の妄想の可能性あり。要注意っと!」
「要注意っと!じゃなーい!」ヨシキは立ち上がった。
「あ、立った。ちゃんと立てるじゃない。点滴の必要はなさそうだね」
その言葉で、ハッと思い出す。
「健康なんですよ。身体も心も全部、元気なんです。ただ、ちょっとだけ問題が無いわけじゃない、っていうのはなきにしもあらずで」
「なきにしもアラモード?」
医師が聞き返す。
「なきにしもアラモアナショッピングセンターかもしれません」
ヨシキが帰す。
「ダジャレのセンスは丸っつと!」医師はニヤリとした。ヨシキはもう突っ込みをいれるのを諦めた。おずおずと自分の症状を明かす・・・。
「ええと、その〜。あの〜。あっちの方が。下の方がですね・・・元気がないというかうんともすんとも言わないというか」
もう一度ベッドに座りこむとヨシキはうつむいて小さな声で
「つまり、勃たないんです」とつぶやいた。
「はいはい。精神疾患からのEDね。悪妻の性だからすぐ離婚すれば直りますよ。それからついでに仕事もやめちゃって。そうしたら鬱も治りますよ。お薬だしときますね〜」
「いやいやGカップと離婚できないし、仕事も辞められませんよ。俺の替わりなんていないんで」
「君の替わりなんていくらでもいるだろ〜。だって奥さんGカップなんだよ?すでに君の替わりがいつもパコパコやってくれてるから君こそいらないんじゃないの?だってインポなんだろ。クスクス」
笑いを我慢できない、という感じでひっひっと肩をふるわせて笑うアザラシの医師。
「ちょっと先生!失礼すぎるでしょ。ED患者目の前にインポ野郎って馬鹿にして笑ってる医者がどこにいるんですか」
「ぷぷっ。すみません。ここに居まーす」
医師は手を上げて大笑いしている。
「奥さんもGカップなのに夫がEDじゃ、とっくに替わりが居るにきまってるじゃない。それも男が複数いるよ。Gカップなんだから。3Pしてるよ。パコパコ、アンアン」
医師は立ち上がって腰を振って見せた。
「ふざけるのもいい加減にしてください!」
ヨシキは思わず怒鳴ってしまった。しかし怒鳴りつつも智子が二人の男に串刺しにされている所を思い描いてしまった。
久しぶりにアソコに充血してくる血流を感じる。ドクドクと心臓が脈打ち、背中の筋肉が硬直した。
「と、智子が浮気なんて、し、してるわけないでしょ」
「知らぬは亭主ばかりなり・・・ちーん」
合掌のポーズで医師は目をつむった。
「あなた本当に医者ですか?こんなふざけた医者、偽物に決まってる」
「よく言われるんではいこれ、ね、僕の名前、寧鳥。これ医師免許カード、ね。ちゃんと医者でしょ。医学博士で心療内科医の寧鳥ね。よろしく君の主治医だから」
「今日の心療は安くしとくから。また明日もおいで。薬だけたくさん出しとくねー」
よく分からないエナジードリンクの6本パックをもらって、ヨシキは男のやる気クリニックを後にした。
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